ご実家の建て替えでしたので、早速現地を拝見しプランにとりかかります。
前面に店舗が有ったので、奥の住居部分にはあまり日が入らない状況でした。
敷地は一見すると南にある道路がそれほど広い土地ではないのですが、だいぶん離れた位置にマンションが建っていますので斜め45度くらい上の角度に抜けが有る良い土地です。
南面に有るマンションはだいぶ離れています
前の道路からと塀とマンションを見上げる
周囲は比較的低層の住宅が立ち並ぶ環境なのですが、ところどころに高層マンションが有りますので、目線に配慮して慎重にプランします。
中がうかがい知れない外観からは生活感を極力排除しました。耐久性を考慮して瓦を葺き、軒の出も出していますが、意図的に見える線を減らして、極力スッキリした印象にしてシンプルな佇まいを狙います。
玄関周りの構造を工夫して特殊な組み方にしていますが、出来てしまうと全くわからないので残念です。
各個室は一階に配置し、最も長く過ごすLDKは2階に配置しました。
お馴染みの玄関収納の上に照明を設置した簡易の間接照明。
玄関から階段を上がると半屋外のバルコニーを横目にLDKに入ります。
階段ホールから半屋外のバルコニーを見る。
ダイニングのシンボリックなペンダント照明は、一目ぼれされたトムディクソンの照明。
リビングに入った左手には壁掛け式のガスの暖炉を設置しました。実際に燃焼しますので、本物の炎を楽しめます。
厚み12cmのガス暖炉は、イギリスESSE社のファイアーウォール
バルコニーからは予定通り空に抜けを取れました。
高い手摺壁と軒庇の隙間から空が見えます。
リビングから段差無しでタイル張りのバルコニーに出られます。
階段室とリビングからバルコニー空間を共有する事で、広さをシェア出来るメリットのほか、自宅から自宅が見える事や、内的な外部が出来る空間的な面白さも創れました。
キッチンの奥にはパントリーを設置し、ご実家に有った栓抜きもここに移植しました。家の記憶が宿る気がします。
強い色が前に出てくる効果を使って、雑多になりがちな収納をスッキリとした印象に替えています。
写真右手奥、北側の一角にデスクコーナーを設置。
窓越しに隣地の樹木を借景する事で目隠しも兼ねられます。
窓の奥に隣家の樹木が見えます。
洗面、水廻りは実用的に設計。収納もばっちりです。
壁で仕切ったところにカウンターを造作してガス乾燥機幹太くんを設置。
天井には物干しハンギングバーを設置。
段差の処理など見えなくなるところに時間をかけて綿密に設計し、シンプルにする事に徹している割に、インテリアは少しエレガントに仕上がっていると思います。
お気に入りの照明器具をはじめとした家具やインテリアに囲まれて暮らすと、『アガル』瞬間が増える感じがします。
ガス暖炉がうらやましい ATTIC辻井でした。
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