暑さを緩和する注文住宅の設計的手法
短い梅雨が終わり、暑い季節がやってきましたので、現場の職人が心配な辻井です。
暑い!『温暖化のせいらしい』とみんなが言っています。
みんなとは、職人さんなど、現場の方々なのですが、現場は毎年体感でわかるくらい暑さが厳しくなってきています。
先日現場で大工さんとお話した際に、『息子には、こんな過酷な仕事をよう勧めへんわ・・・』と仰っていました。
本当になにも言い返せないくらい現場の暑さは厳しいので、なんとも言えませんでした。
さて、少し調べてみると、平均気温はここ100年弱で約1℃上がっているそうです。
日本では1.28℃だそうです。

IPCC第6次評価報告書(2021)から
・・・1.28℃?
もっと暑く感じるんですが、気のせいでしょうか( ;∀;)
温暖化してないのではなくて、もっと温暖化してねーか?と思います。
本当にCO2のせいなのか?
スーツの人にはわからないのか?
えらい人にはわからないのか?
謎です。
断熱性能の恐竜的進化
そんな(懐疑的な)温暖化のなか、少なくなる新築着工棟数を価格で補完するかのように、年々住宅には高度な断熱性が要求される様になってきました。
窓はアルミから樹脂に、ガラスはシングルからトリプルに。乾燥空気層はあるごんやクリプトンガスに。壁の断熱材は1.5倍が標準となってきました。
暑さに対する設計的解決方法
前述の様な基本性能も大切ですが、設計手法で一定の効果も挙げられます。
PlanA アクティブな手法
機器を使って、能動的に解決します。
空調・・・エアコンです。みんな知ってますね(笑)快適なのは全館空調です。
換気・・・意外と盲点なのですが、義務付けられている住宅の換気を熱交換式にする事で、熱い外気の流入をある程度抑制出来ます。
サーキュレーション・・・天井に付く羽・シーリングファンや、サーキュレーターで、温度によって密度の変化した空気を強制的に入れ替える手法です。
PlanB パッシブな手法
機械や装置を使わず、物理法則などを利用して工夫で何とかする手段ですが、必ずしも安上がりという訳ではありません。
断熱・・・一番先に触れた方法です。窓や壁天井、床下などの断熱性能を上げて外気温の影響を減らします。
深い軒や庇・・・日照を室内に入れない為にとる屋根の事ですが、意外に有効です。
低い窓と低い天井・・・意外や意外、低い窓や天井は、奥深くまで直射日光が入りませんので、涼しくなります。
カーテン・・・最近は直射日光をカットしたりディフューズするものもあります。シャッターは暗くなってしまいますが、遮熱には一定有効です。
すだれ・・・簾と書きます。日本古来で、目隠ししつつ影を作りだし、風は入るというアイテムです。耐久性は低めです。
窓ガラスの仕様・・・フィルム内側に貼るものと、内部に蒸着させたLow-Eガラスというものがあります。熱移動の少ないガスの入っているものもありますし、高性能な真空ガラスもあります。
屋根・外壁材・・・両方熱を反射する事で、内部に熱を伝えにくいものが有ります。
外壁材の断熱性能は、断熱材入りスパンドレル>サイディング>モルタル吹付
屋根の断熱性能は、瓦>彩色スレート=ガルバリウム鋼板
大凡こんな感じです。
色・・・屋根や外壁は色によって熱の吸収率が変わります。窓の前の床の色も少し影響します。さらに、インテリアの寒色系なのか暖色系なのかは、人側の受ける印象を一定操作出来ます。
自然換気・・・高低差による換気=重力式換気の事です。煙突の仕組みと同じなのですが、開口部と開口部の高低差が大きければ大きいほど、空気が自然に対流します。窓を開ける前提になってしまうのですが、計算上は窓面積の高低差hの平方根に比例します。
立地・・・そもそも風の吹く方向や時間、それぞれの土地の日照時間などを考えて設計する方が良いです。多分ここが一番大切で一番難しいと思います。辻井がもっとも得意とするところです。
注文住宅の設計を考える際に、熱さや空気環境についてこんな感じで考えているのですが、
ご予算や合理性に配慮した実例はこちらからどうぞ。
注文住宅のプランなどの関連のリンクは下記からどうぞ。
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商工会で作ってもらった動画が好評です。私の自邸で撮影して頂きました。
Youtubeで辻井が喋っています。ヘラヘラしているのが少し鼻に付きますが、緊張の裏返しですので、お許しください。(by辻井)
是非一度ご覧ください。